トイレに尿石が発生してしまう原因とは？具体的なメカニズムを探る！ |

水のコラム

2021年12月06日トイレのお掃除

トイレはいつも清潔にしておきたいですよね。こまめに清掃はできていますでしょうか？
トイレの清掃が行き届いていないと、尿石が発生してしまいます。

尿石とは尿に含まれている成分が細菌によって変化し、便器や配水管に付着したものです。悪臭などの原因にもなるのでとても不快です。

尿石が発生してしまう原因と除去方法を解説します。

尿石が発生してしまう原因は何でしょうか？発生のメカニズムを解説します。

尿石の元は尿です。尿の成分である尿素が排出されたのち、一般細菌から出るウレアーゼ酵素が尿素を分解し、悪臭が放たれます。それがアンモニア臭です。

尿素がアンモニアになると、便器内の液性がアルカリ性寄りになります。その後ｐｈが8.0～8.5を超えると尿中に溶けていたカルシウムイオンが難溶性カルシウム化合物に変化します。これが尿石です。

尿石は多孔質なので有機物や一般細菌が溜まりやすいです。早めに対処しなければ尿石は蓄積され、悪臭と細菌の温床になってしまいます。

尿石は悪臭を放つだけではなく、大量の尿石によって配水管の詰まりを発生させる場合もあります。早めに除去することが大切です。

しかし尿石は付着してしまうと、ブラシでこすったり洗い流したりするだけでは、除去できません。尿石を掃除する際の五つのポイントを解説します。

まずトイレの清掃を始める前に、トイレの水の元栓はしめて便器の水たまりの水は抜いておきましょう。水が溜まっている箇所にも尿石が付着している可能性があるためです。

尿石を掃除するポイント一つ目は「酸性の洗剤を使用する」です。尿石はアルカリ性なので酸性の洗剤を使用するのが効果的になります。酸性洗剤が尿石をじわじわと溶かしてくれます。尿石が厚くなり、一回で落とせない場合には酸性洗剤による付け置きを繰り返し、徐々に取り除くのが良いでしょう。

また、酸性洗剤をトイレットペーパーなどに染み込ませて気になる汚れの箇所に貼り付けるという方法もあります。貼り付けて時間を置き、スポンジでこするという方法を繰り返すと尿石が徐々に分解されていき落としやすくなります。

二つ目は「重曹とクエン酸の合わせ技をする」です。まず、重曹を尿石汚れにふりかけます。その上から酸性のクエン酸をスプレーします。そうすることで泡が発生し、その泡が尿石を分解します。

本来アルカリ性と酸性の洗剤は一緒に使用するのは危険です。重曹とクエン酸は身体にも環境にも優しいため安全ですが、念のため換気はしておきましょう。

三つ目は「尿石除去剤を使用する」方法もあります。主に男性用の小便器があるところで使用される薬剤なのであまり目にすることはないかもしれません。普通尿石除去剤は医薬外劇物ですが、薬品の配合を変えて通販で販売しているものもあります。

四つ目は「耐水性サンドペーパーを使う」です。どのような洗剤を使っても尿石が落ちない場合は、サンドペーパーを使って削ってしまいましょう。こすりすぎると便器に傷がついてしまうので注意してください。

五つ目は「軽石を使う」です。サンドペーパーでも落ちなかった尿石は軽石で削ってみましょう。こちらも便器を傷つけないように十分注意してください。

尿石は掃除の頻度が高くても、見えないところで蓄積されてしまうことがあります。やっかいな尿石ですが、日々の心がけで予防ができます。尿石の蓄積を防ぐ対策を二つ紹介します。

一つは「男性も便器に座る」です。男性が立って排尿することで、トイレの壁や床に尿がはねてそれが蓄積されると、尿石汚れになります。便器に座って排尿することで尿はねを改善できます。

二つ目は「トイレの照明を明るくする」です。落ち着いた雰囲気を演出するためにトイレの照明を暗めにしている家もあるかもしれません。落ち着くかもしれませんが、尿石の蓄積を促してしまっているかもしれません。

トイレの照明が暗いと軽い尿石汚れに気づかず、尿石汚れに尿石汚れが積み重なってしまいます。こまめに清掃していても、汚れにアプローチできていなければ意味がありません。

この二つを日々心掛けていれば、尿石が知らぬうちに蓄積されて悪臭を放ってしまう事態にはなりにくいでしょう。

尿石が蓄積されてしまうと、とてもやっかいだということがわかりました。こまめな清掃が必要不可欠ですが、時間がとれない人もいるかもしれません。

今回紹介した、尿石が蓄積してしまった場合の清掃方法を試してみましょう。洗剤の性質と汚れの性質を把握しておくのも大事なことでした。

また、照明を明るくして汚れが目につくようになれば無意識にこまめな清掃ができてしまうかもしれません。見た目も不快な尿石をしっかり除去し、常に清潔なトイレを保つのが理想的ですね。

どうしても自分では尿石を除去しきれないという場合は、専門業者へ依頼しましょう。