水のコラム
賃貸の水道管が凍結し破損した場合、その責任は誰になる?
氷点下にとどくほど寒い季節になると、水道管の凍結事故が増えてきます。水道管の凍結は水やお湯が使えなくなるほか、場合によっては水道管に亀裂が入り、大掛かりな修理を要する可能性があります。
もし賃貸物件に住んでいるときに水道管が凍結し、さらには破損してしまったら、一体誰の責任になるのでしょうか。
賃貸の水道管が凍結し破裂した場合、その責任は誰になる?
結論からいうと凍結によって水道管を破損した場合、入居者が責任を負うのが一般的だとされています。
北海道をはじめとする寒い地域では、水道管の凍結は日常茶飯事といっても過言ではありません。アパートのような賃貸住宅では、大家さんから凍結に関する防止策の説明を受けていないなどの諸事情を除き、凍結の防止対策は入居者が行うことが基本だと考えられています。
関東以南では滅多に凍結が起きないため入居者の責任といった印象は薄いのですが、水道管の凍結予防や破損には責任もって対応してください。
ちなみに、水道管の破損に伴う修理代は約3万円とされており、決して安くはありません。水道管凍結において、保険による補償が受けられるかどうか、万が一に備えて約款を確認しておきましょう。
また、賃貸物件で設備を破損した場合は借家人賠償補償、設備破損によって近隣にも被害が及んだ場合には個人賠償責任補償の対象となり、いずれも保険金を先方に支払わなければいけない可能性があります。くれぐれも注意してください。
水道管の凍結を防止する方法
水道管の凍結を防ぐ方法はいくつかありますが、なかでも「水抜き」はもっとも効果的な対策です。
水抜きとは、水道管に残っている水を抜くことで凍結を防ぐといった方法になります。最初に水道の元栓を閉め、屋内にある蛇口をひねって管内に残った水を抜けば終了です。
しばらく使っていない水道にも水が残っていることが多いにあり得るため、凍結のリスクは否めません。長年住んでいない住宅の場合、水道管内の水をあらかじめ抜いておくことで凍結防止になります。水道以外だと、給湯器、洗濯機、ボイラーなどにも止水栓はついているため、水抜きの際は必ず止水栓を閉めてください。
水道管は水が流れていると凍結しにくくなり、細く長く水を出しておくのも凍結防止に効果的です。数ヵ月単位、数年単位で使われていない水道は水道管が凍結しやすくなっている傾向にあるので、1日1回は水を少し出しておくのもひとつの手です。水を出したままにしておく際は爪楊枝ほどの太さを保って流してみてください。
なお、このときお湯を流すと光熱費が高騰してしまうほか、ガスの安全装置が誤作動することもあるため、必ず水を流しましょう。
水道管をタオルやカイロなどの保温材などで覆っておくことも凍結を防ぐ方法です。ホームセンターでは凍結防止専用の保温材やヒーターなど、便利な商品が数多く販売されています。
屋外に設置されている給湯器こそ、凍結してしまったら大変なことになります。少しずつお湯を出したままにしておく方法もありますが、自動的に凍結防止機能がついている機種の場合は浴槽のお湯を循環口から5センチを目途に残し、給湯器の電源をつけたままにしておきましょう。
水道管が凍結した場合の対応方法
万が一水道管が凍結してしまった場合、凍結した部分にタオルをかけて約50度のお湯をかけるか、ドライヤーを使って温めましょう。熱湯をかけてしまうと激しい温度差によって水道管が破裂することがあります。決して試さないでください。
水道管が破裂したら水漏れが発生し、建物自体に大きな被害をもたらします。被害を拡大させないためにも、水道管が破損していることに気付いた時点で、急いで止水栓を閉めて水漏れを食い止めなくてはいけません。
一般的に使われている止水栓には、ハンドルタイプとドライバータイプの2種類があります。基本的にはレバーを時計回りに閉めることで水が出なくなります。止水栓を閉めたあとは、近隣の水道業者に修理の依頼をしましょう。
まとめ
賃貸の水道管凍結は、基本的に入居者が責任を負うものとされています。また、賃貸で水道管に不具合が生じると近隣住民とのトラブルにもつながりやすい問題のため、慎重かつ丁寧な対応を心掛けてください。
水道管にも寿命があり、状態次第では少しの衝撃で破損してしまう可能性があります。経年劣化による不具合を避けるためにも、定期的にメンテナンスを受けておくことが大切です。
近年では首都圏でも降雪が発生しているため、住んでいる地域が寒冷地でなくとも凍結の心配がないとは断言できません。今後も厳しい寒さが続くことによって、全国的に水道管の凍結が起きる可能性は十分あり得ます。
水道管を破損してしまうと大掛かりな修理が必要となり、高額な請求を求められることもあるため、トラブルを引き起こす前に紹介した予防法や対処法をしっかり覚えておきましょう。