蛇口から出てくる濁り水の原因と対処、ポイント解説 |

水のコラム

蛇口から出てくる濁り水の原因と対処、ポイント解説

2021年07月12日蛇口のトラブル

私たち日本人は戦後の高度成長で生活インフラが整備され、また平和な時代が長く続いている「水と安全はタダ」と考えがちだと思われますが、予期せぬタイミングでそんな安全神話が失われてしまう場合もあります。身近な例として最たるものが、蛇口から白や他の色が付いた水が出始めてずっと直らない事態です。見た目から変わってしまっているためどうしてよいのかわからず、水道を利用するのをためらってしまうかもしれません。

それが台所や洗面所やトイレ、お風呂などどこであったとしても、問題が解決して元の状態の水が出てくるようになるまでは気が気でしょうがないでしょう。今回は、濁り水の原因と対処法の要点を解説していきます。

白い水の正体、その1

いつもは透明な水が急に白くなって出てくると焦ってしまいます。しかし、多少白く濁って見える水ならさほど心配する必要はありません。微炭酸の飲料を思い浮かべれば分かりやすいのですが、実は白色の正体はほとんどの場合、温度上昇や水圧の変動に伴って気泡化した、水道水に溶け込んでいる空気（窒素・酸素・二酸化炭素）です。コップにとってしばらく置いておくだけで下部から徐々に透明へ変化すると空気が混じっていただけだったと判断でき、安全性にも問題がなかったと分かります。とはいえ、稀ではありますが別の原因である場合もあります。

白い水の正体、その2

放置しても白い水のままであれば、その原因は、古くなった配管から溶け出た亜鉛や鉄といった金属類の可能性が高まります。金属を経口摂取してしまうことによる健康被害が心配になりますが、亜鉛や鉄は人体にとって必要なミネラル類であり、日々の食事でとり続けている栄養素です。度を超した大量摂取でない限り、すぐさま健康を害する事態には至りませんのでご安心ください。むしろ色や臭いへの生理的な拒否反応として飲用したくないはずで、その場合は専門業者を呼んでの給水管交換依頼が、安全で迅速な最善の手立てとなります。

赤茶色の水

生活の中で赤茶色を示す水まわりの現象となれば、ご想像通り、原因はほぼ間違いなく配管や給水タンク内における鉄分のサビか泥でしょう。定期点検などで断水した後に出る赤い水は、通水の止まった配管内部にあらためて水が流れた際に、一定の圧力下ではずっと残っていたサビや泥が一気に剥がれて含まれてしまうことに起因しますが、発生の仕組みは同じです。

見た目や味はもちろん、衛生面でも飲用に適しませんし、衣服に付けば取れにくい汚れとなる以上は洗濯用としても不適なため、早めの修理交換手配が必要となります。なお、もし飲んでしまったとしても、人体の鉄分吸収率は想像するよりずっと低く、大半がそのまま体外へ排出されます。この知識があれば、パニックにならなくて済みますから覚えておきましょう。

黒い水

水漏れを併発している場合が多いのですが、パッキンやナットの老朽化による漏水と、その付近に発生したカビ類やしつこい汚れが原因かもしれません。レンチによるナットの締め直し、ホームセンターで購入して備えておくべきスペアのパッキンへ交換する作業などだけで漏水が止まって直ることもありますが、水の色までは戻らないはずです。

蛇口の取り外し、根本原因の除去、清掃、必要パーツの交換などは、レバー式水栓・ハンドル式水栓のいずれであっても、屋内の止水栓を確実に閉めた後での、専門的な用具や技術を用いた作業となりますから、一般家庭内でできるDIY対処の限界を超えてしまうことも多くなってきます。

砂などの異物が混入している水

近隣で水道工事が行われた後、上水道に砂や土が混ざってしまう場合があります。古い配水管を取り外して新たな管を交換接続する際、工事関係者はもちろん細心の注意を払っていますが、それでも砂の混入は生じ得るのです。これは永久的に続く不具合ではありません。水を流し続けることで収まる一時的なものです。

ただし、接続部でなく、地中に埋設された水道管自体に亀裂が生じていると不具合がずっと解消されないこともあり、そうなれば、個人からの業者手配ではなく、水道局へ通報したうえで市町村などからの公的な対応を待つ形になります。

プロの視点

正しい知識と対処法を知っていればいざというときに慌てないで済みます。また、日ごろから交換用予備パッキンを買い置きし、必要となりそうな工具類を想定して準備しておくなどの心構えも大切です。軽微な損傷や漏水なら自宅でDIY修理も可能ですが、もし対応策の見当がつかず、手のくだしようがないほど深刻な事態、急を要する場合であれば専門業者にご相談ください。確かな目と腕が、迅速で的確なアドバイスや修理を、安全かつ適正価格にて行います。