水のコラム

トイレの逆流対策!つまり・マンションの逆流など状況別の対処法

2022年03月06日  トイレのメンテナンス


トイレの水を流したら溢れてきた!という状況に陥って困り果ててしまった経験はありませんか?

トイレという場所だけに、床まで水が溢れてしまうと衛生面も気になります。後処理の掃除もできればしたくないですよね。

頻繁に起こることではありませんが、できることなら直面したくない状況です。今回は、トイレが逆流してしまう原因をご紹介します。さらに、万が一逆流してしまったときに慌てずに済むよう、その対処法も見ていきましょう。

トイレの水が逆流する原因は「つまり」が多い

トイレの水が逆流して溢れてきたときの原因で一番多いのは、やはり「つまり」です。小さなお子さんがいるご家庭では、「子どもが大量に紙を流してつまらせた」という経験もあるのでは。

しかし、一概につまりといっても、どこがつまったかによって対処法は変わってきます。まずは、どこがどのような原因でつまるのかを見ていきましょう。

■排水管・排水口のつまり
家庭の水周りで節水を心がけているというご家庭も多いと思いますが、実はその節水のための行動がつまりを引き起こすことがあるのです。

トイレで用を足した後に水を流すと、流した汚水は排水口や排水管を通って、下水へ流れていきます。

通常、トイレの水はトイレットペーパーや便などを流すのに十分な量の水が排水されるように設計されているので、私たちが用を足して流せば問題なく汚水が下水までたどり着く仕組みになっているのですが、節水をしているとこの仕組みが上手く働かないことがあります。

節水をすると、本来紙や便を流すのに必要とされている量の水が排水されません。すると、流した便やトイレットペーパーが下水まで運ばれずに、排水口や排水管内で留まります。

これが毎日続くと、排水管内でどんどん汚物が蓄積していき、やがてつまってしまうというわけです。

このように、つまりの原因となる節水の具体例として、「トイレタンクにペットボトルを入れている」「本来は大で流すのに小の流水量で流している」などが挙げられます。便器からは流れていったように見えても、少ない水量ではきちんと下水まで運ぶことができません。心当たりのある人は気を付けてくださいね。

■便器内のつまり
「つまり」と聞いて一番初めにイメージするのが便器のつまりではないでしょうか。

先述した「トイレットペーパーを流しすぎてつまらせた」というのもこれにあたります。トイレットペーパーは水に溶けるように作られた紙ですが、紙の量に対し水の量が少なければ溶けません。

トイレットペーパーを多く使うときは数回に分けて流すようにしましょう。また、トイレットペーパーと同じ用途で「おしり拭き」という製品があります。ウェットティッシュのようなもので、おむつをしている赤ちゃんのお世話や介護の際に使われていますが、この「おしり拭き」にも注意が必要です。

市販の「おしり拭き」はトイレに流せるものと流せないものがあります。誤って水に溶けない不溶性のものを流してしまうのは、雑貨やスマホなどの小物類を流してしまうのと同じで、つまりの原因となってしまいます。

■つまりによる逆流の対処法
うっかりトイレをつまらせてしまったら、まずは何が原因なのか考えましょう。大量にトイレットペーパーを流したり、誤って雑貨を落としたり、といった心当たりがある原因からつぶしていきます。

トイレットペーパーをつまらせた場合、通称「スッポン」とも呼ばれているラバーカップを使用しましょう。ラバーカップは便器の排水口にフィットさせ、ゆっくりと押して引くことを繰り返すことで便器の奥に強い水の流れを発生させます。

最後にぎゅっと押し込んで勢いよく引き抜くと、水の流れによってトイレットペーパーのつまりが崩壊して、つまりの解消が期待できるというものです。水が飛び散ることが多いので、使用する際は汚れ防止として床に紙やビニールシートなどを敷いておくといいでしょう。

トイレットペーパー以外の、雑貨などの異物を流してしまった場合は、まずはワイヤーブラシで取り出せないか試してみることをおすすめします。

いきなりラバーカップを使うと、逆に奥へ押し込んでしまい、取り出せなくなる可能性があるためです。これらの方法を試してもつまりが解消されない場合は、排水口や排水管のつまりが考えられます。無理せず専門業者に相談をしましょう。

また、自分で解消しようとした結果、上手くできなかった・状況が悪化したという場合も同様です。早い段階で専門業者に見てもらうようにしましょう。

大雨によって逆流する恐れもある

不可抗力ですが、大雨をはじめとする自然災害でトイレの逆流が発生することもあります。自然災害となると自力での解消は難しく、すぐに専門業者に依頼することが望ましいです。

■大雨でトイレが逆流してしまう原因
大雨だとなぜトイレが逆流するのか、いまいちピンとこないかもしれません。

先ほど、トイレのつまりについて述べた際に、汚水が排水管を通り下水へ流れるという仕組みに触れましたが、原因はそこにあります。

ゲリラ豪雨など、短時間に大量の雨が降ったときに、マンホールが溢れているのを、見たことがある人もいるかと思います。マンホールの下に流れているのは下水。

つまり、トイレから流した汚水が流れる場所です。本来汚水が行き着くはずの場所が満水で溢れかえった状態なので、流れ切らない汚水や雨水が排水管を逆流してしまいます。

とはいっても、すぐに家庭のトイレから水が噴き出してくるというケースは多くありませんが、トイレがボコボコと音を立てたり、異臭がしたり、水が流れなくなるという状況は十分起こり得るのです。

■地震でも逆流する可能性がある
大雨以外でも、大規模地震などで排水管や下水管が断裂してしまうというケースもあります。このような場合は自力ではどうにもならないので、水道局や修理業者へ相談することが最優先です。

■災害による逆流の対処法
大雨などの災害時に、トイレの排水が逆流してしまいそうなときは、水道局や修理業者が対応してくれるまで、家屋内への逆流を防止する行動を取りましょう。

具体的には、「簡易水のう」を作って排水口を塞ぐという方法です。「簡易水のう」の作り方はとても簡単。ゴミ袋を2重にして半分程度の水を入れ、袋の口をヒモで縛るだけです。

これを排水口の上に置けば完了ですが、ここで一つ注意したいのが「簡易水のう」は家屋内の全ての排水口の上に置くのが望ましいということ。

下水から一番近いトイレが最も逆流しやすいですが、トイレの排水口を塞いだとしたら、浴室や洗濯排水、キッチン排水などから溢れる可能性があるからです。

「簡易水のう」を設置する際は、置き忘れている排水口が無いようにチェックしましょう。また、あわせてトイレの止水栓は閉め、ウォッシュレットのコンセントなども抜いておくと安心です。

マンションでトイレの逆流が起こる理由

ここまでご紹介した原因のほかに、マンションなどの高層の建物では構造上の理由から、トイレの逆流が発生することがあります。
■共用の排水管のつまりで1階のトイレが逆流する
「自分の家ではトイレを使っていないタイミングで、なぜか逆流してきた」マンションの1階に住んでいて、こんな経験をした人がいます。

実は、マンションなど2階以上の建物の排水菅は、戸建て住宅とは異なる構造で排水管が通っています。簡単に言うと、上階から下階までつながっている共用の排水管があり、そこから枝のように各階ごとの排水管が伸びて、それぞれの部屋へつながっているというものです。

例えば201号室と101号室のように階層が違えば、この2つの部屋の排水管は直接つながっていないことになります。しかし、201号室でトイレの水を流したら、101号室のトイレが逆流するという現象が起こることがあります。

これは、上階から下階までつながる、共用の排水菅がつまっていることが原因です。共用の排水管のつまりは2階と3階の間のような上のほうではなく、マンション全体の排水管から下水管へとつながる経路で起こることがほとんど。

つまり、地上1階です。排水管から一番近いのはもちろん1階の部屋なので、2階以上の部屋で流した水が排水管から下水管へ流れることができない場合は、一番近い1階の部屋のトイレに逆流してくるということなのです。

■2階以上のトイレがつまった場合は各階の排水管のつまり
1階の部屋での逆流がなく、2階以上の部屋でトイレの逆流が起きた場合は、共用の排水管ではなく、各階を通る枝の排水管、もしくは自室の便器がつまりを起こしていると考えていいでしょう。
■マンションでの逆流の対処法
1階でも、2階以上の部屋であっても、まずは先ほど「つまりによる逆流の対処法」で紹介したラバーカップやワイヤーブラシを試してみてください。

それでも解消されない場合は、専門業者を自分で手配する前にマンションの管理会社や管理組合に相談しましょう。マンションによっては、決まった専門業者と提携している場合もあります。

管理会社や管理組合で費用負担をしてくれるケースもあるので、まずは一報、連絡を入れておきましょう。

トイレの逆流・つまりを繰り返す場合には?

「昔はそうでもなかったのに、最近は逆流やつまりがよく起こる」「トイレを変えたらつまりやすくなった」など、つまりや逆流が頻発する場合は、繰り返してしまう原因を考える必要があります。

一時的なものであれば自力での解消も可能ですが、あまりにも回数が多いようなら、基本的には専門業者への相談が安心です。

■設備の老朽化
トイレのタンク内の部品が経年劣化で壊れていると、タンク内に充分な量の給水がされない、便器へ決まった量の水を排水できない、といった不具合が発生します。

タンク内のボールタップや浮き球、フロートバルブなどの部品が故障していないか確認する必要がありますが、なかなか素人には判別は難しいもの。

わからなければ、タンク内の「オーバーフロー菅」というパイプ状の部品に標準水位を示す表示あるので、水位がそこまで達しているかを確認します。

達していなければ、部品の故障や水漏れを疑いましょう。また、タンクの水位は十分なのに頻繁に逆流が起きるという場合は、便器ではなく家の配管の老朽化も考えられます。

■トイレが節水型
節水型トイレを使っているため、充分な水が排水されず、排水口や排水管がつまっているというケースもあります。

家の立地によっては、他のエリアに比べて水圧が弱い場所もあります。そのような場所では節水トイレの機能によってさらに水圧が弱まり、水量が減ってしまうため、汚水が上手く流れていかないのです。

■気づかないうちに異物がつまっている
トイレに置いていた置物が何かの拍子で便器に落ちて、気づかずに流してしまったり、子どもがおもちゃを流していたり、いつの間にか異物が便器内につまっていることもあります。

ワイヤーブラシを試してみても良いですが、長い間気づかずにいるとかなり奥のほうまで異物が移動している可能性もあります。心当たりがなく、ある程度自分で試してみても解消されない場合は専門業者へ相談をしましょう。

まとめ

トイレが逆流するとついつい焦ってしまうもの。インターネットの情報では、トイレつまりの解消法として、薬剤を使うものや特殊な器具を使うものなど、さまざまな解消方法が紹介されています。

しかし、知識のない素人がそういった方法を試すのは少々危険です。やり方を間違えたり、現状と合っていない方法で解消したりして、トイレ自体が壊れるということもあり得ます。

「専門業者に依頼すればつまり抜きの費用だけで済んだのに、便器の交換や修理に時間とお金をかけることになってしまった」という事態は避けたいですよね。

まずは落ち着いて、何が原因かを考えてみましょう。そして、無理せずに専門家に依頼することが、安全にトイレつまりを解消する近道です。

わかやま水道職人(和歌山水道職人) 0120-492-315

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